目次
- ●金彩分野の世界的パイオニア、和田光正[京都大学名誉教授 清水剛夫 氏]
- ●【図版】訪問着/留袖/振袖・打掛/附下/小紋/帯/諸作品
- ●こがね・しろがね[元文化庁文化財監査官 北村哲郎 氏]
- ●金彩友禅〈金箔粉の種類/金彩友禅技法〉
- ●和田光正年譜
- ●感謝合掌[和田光正]
- ■和装418点(訪問着/留袖/振袖・打掛/附下/帯)
- 諸作品 (能装束/狂言衣装/法衣/化粧まわし/ハンドバック“MIZVADA”/時計/暖簾/衝立)
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感謝合掌より
一部抜粋
合掌 お陰様で職人生活55年になりました。いちばん最初に出版していただいた作品集『きもの百選〜金彩友禅』が1977年、37歳の時、『和田光正コレクション・錦光山文様選集』が41歳の時、『金彩友禅 和田光正の世界』は44歳の時でした。3冊とも、フジアート出版社の御愛念です。また、1996年、56歳の時には、日本繊維新聞社の連載記事「私の歩んだ道」に掲載いただいたものを『金彩友禅 天路の歌 職人40年・和田光正の世界』として出版させていただきました。日本繊維新聞社並びにフジアート出版社に感謝合掌です。そして、今回の作品集が2010年の今年、私が古希を迎えた記念すべき時の出版となります。
私が今回、作品集出版を思い立ったのは、2冊目の作品集以来、30年近くにわたり創り続けてきた作品を写真撮影し、ネガ・ポジを保存してきたことによります。あわてて創り撮影した作品や、時には撮り忘れもありますけれど、今ではもう創ることができない作品、また、もう二度と新たには創りたくない作品など、よく撮っておいたなぁと思うものも沢山あり、職人生活55年の節目として集大成しておこうと思ったからです。
冊目、2冊目に掲載した絵柄を現在の技術・感性で新たに創った作品も“ニューバージョン”として掲載いたしました。前に見た絵柄がこんなに変わったかと驚きまた、変わっていないものは、以前の作品をそのまま懐かしく思いつつ掲載しました。
自分がそうであったように後世の人々が先人の金彩の作品に感動を覚え、この金彩の技・歴史を感じ、それが金彩の後継者の技や染織の継承に結びついて欲しい、いささかでもお役に立てればとの私の思いです。
最後に、私は、伝統産業が好きです。金彩友禅の仕事が好きです、大好きです。これからも日本全国の皆さまに、世界各地の人々に、大好きな金彩友禅の炎を燃やし、明かりを照らし続けていきたい、この命の絶えるまで楽しみながら笑顔とともに……。仕事は‘楽しい’‘楽しい’“無限の夢”があります。皆様の上に無限の祝福が満ち溢れますように、心よりお祈り致します。
再拝